踊る髭の冒険

30歳を目前に仕事をやめて旅に出た髭の人が世界中放浪した果てに結局海外大学院留学せずに帰国→家族でベトナム ハノイ移住→その後ドイツで大学院卒業→現在はカンボジアでのらくら。

大きな無駄は財産に。

9月24日
 

旅のいいところは、知識や体験を自分なりに咀嚼する機会を得れることだと思う。

 
 
早朝、宿をでて空港行きのバスに乗る。
しんごの飛行機は11時だったので時間がくるまでdecosというファーストフード店で時間を潰していた。

ここのファーストフードは悪くなかった。
 
僕がこの旅でkindleを活用してるのをみてしんごはkindleアプリがほしいぜーと言っていた。中国では何故かうまくダウンロード出来ないらしい。
 
中国ではFB,googleがつかえないため、インターネットが使えてもかなり連絡を取ったりするのが制限されてしまう。いかに普段その二つに頼っているかと思い知らされる。
 
しんごは去り際に何かの言葉を引用してこんな言葉を残していった。
 
『姑息な無駄は無駄に終わるが、大きな無駄は財産になる』
 
 
この1年、もしくは留学予定の1年も含めて、僕の人生の中でどう言って時期になるのかはわからない。
 
キャリアを重視する人は言うかもしれない「お前は何年も無駄にした」と。
 
人の意見なんてパーンッ!、と思っている僕も怖くなる事もある。この大きな無駄が財産になるかどうかは僕次第だが、いくらでも本が読めて、自分の頭で考え、行きたいところにいける1年間を大切に過ごしたいと思っている。
 
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じゃあ、身体にだけは気をつけてね。
いつも別れるようにしんごは帰っていった。
 
 
 

ウルムチ経由のビシュケク行き。
なんとウルムチで14時間のトランジット。
 
ウルムチは中国北西部の新彊ウイグル自治区の町。空港から出ていないけど、ここまで来ると中央アジアのいろが濃くなってくる。旅行者もいっきにロシア系が増えてきた。
 
空港の食堂で面を食べたけど、味が薄くて物足りなかった。四川の辛さにハマってしまったのか(°_°) ラー油を入れると上手くて「あ、いつもの味キター」と一気に食が進んだ。
 
6時間くらいぶっ通しでブログの文章をかく。しんごが「文章を書くことはいつだって限界に挑むこと」という言葉をメモしているのを見せてくれたけれど、本当にそうだと思う。こんな駄文でも、頭がショートしそうになる。


空港泊のつもりでDeparture Areaの椅子で眠っていると、夜中の1:30くらいになって警備の人におこされた。
 
「スミマセンーン、空港の決まりでここで寝れないんでー、出ていってホテルさがしてクダサーイ」
 
 


 
 
( ゚д゚)いまから?
 
えっと、何時に空港あくんすかね?
ときくとファイブ オ クロック!!と元気良く答えてくれました。畜生、数時間の為に宿代は出せねえ!
 
 

 

どっこい、一階におりていくと同じ状況の皆さんがたむろしているので適当に端っこにジョインして朝を待つことにした。

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やれやれやっと眠れるぜ!と寝袋を取り出したのもつかの間、3時ごろに警備の人にまた起こされる。
 



( ゚д゚)え、ここもあかんの!
 
 
 
 
こうして僕は寒空の下、真夜中のウルムチに放り出されたのであった。空港はどこでも24時間あいてるとおもってたぜ!
 
 
同じあたりに座っていた中国人の男の子に「君も朝の飛行機待ってるの?」と聞くと彼は英語が話せて、「そうなんだけど、どうしよう」と笑った。
 
いまからホテル探すのはなー!といいながら2人でとりあえず空港の前をウロウロ
する。
 
「エレベーターにいこう」と彼はいった。
 
空港の入り口のそばに小さなエレベーターがある。そのなかでなら、凍えることなく夜を越せるだろうと。

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僕らはとりあえずそこに入っていた。外よりは寒くない。
するとしばらくして、中央アジア系の人たちが何人か、中国人が何人かやってきた。
 
僕らは同じ運命を辿った仲間だった。
 
「お前どこから来たんだ。日本からきたのか!まあこれでも食え!」
 
カザフスタンから来たビジネスマンがチョコレートをくれた。
 
みんなレアなこの状況を心から楽しんでいた。
 
結局5時ごろまで僕らはとりとめない話をした。この中にいたアゼルバイジャン人のAzarがたまたま同じ便でキルギスにいくことになっていた。
 
俺がキルギスを案内してやるよ!
とAzar。彼は貨物を列車で運ぶ会社で働いていて、一年中世界を飛び回っているそうだ。
 
「ラウンジ・ウルムチ
とこの場の皆に名付けられたこの空間で、カザフスタンキルギスアゼルバイジャンについての話を沢山聞くことができた。
 
キルギスの寒さはそうでもないが、カザフスタンはすでに気温が氷点下に入っていて、冬にはマイナス25度になるらしい。



 
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チーム・ラウンジウルムチはそのあと飛行機が飛ぶまで空港の中でも仲良く話続けた。思っても見なかったことが起こって、それで繋がる人の縁があるから、面白い。

 忘れられない、トランジットの夜になった。