イスタンブール②〜Lotus Kendo Club
今回一緒に稽古させてもらったのはLotus Kendo clubというイスタンブールの剣道チームだ。
Engin(エンギン)という人が先生をしているらしく、FBのメッセージでEnginの連絡先を教えてもらった僕は早速WhatsAppで連絡をとった。
欧米圏ではLineはほとんど使用されず、WhatsupというSNSが主流で会う人殆どにWhatsupやってないの?と聞かれるのでぼくもアカウントを作った。
Enginとは道場近くのカフェで落ち合うことになり土地勘もないので早めにそこへ向かった。
トラムとメトロを乗り継いで1時間くらい。Osmanbayという駅までいく。
新市街は旧市街と違って車が多い。
「初めまして」と日本語で挨拶をしたEnginは僕より少し背の低くて物静かな雰囲気だった。
稽古前にみんなこのカフェで何か食べてからいくらしい。終わってから飲みに行ったりしてしっかりアフター剣道するのも日本と同じだ。
この5月に東京で開催された世界選手権がトルコの選手にとって初めての世界大会だったらしくその時の興奮をEnginは語ってくれた。
「アキハバラにもいったよ!」
剣道が好きな外国人は日本の文化をアニメとか漫画から知って、ワンピースやナルトなんかが、好きな人が多い。
アメイジング・ジャパニーズコミック。
残心BAR(´・_・`)
初耳すぎる。
残心っていうのは簡単に言うと武道で攻撃をした後に「相手に心を残す」(最後まで気を抜かない)ことなんだけど、剣道では打ったあとの姿勢とか、発声、そういうのを包括して「残心」と呼んでいる(と思う。)。
なにそれ、つまり、なんなの?
「ジン・トニックーーーッ(残心)」
「カルーーア!ミルクーーッッ(残心)」
「セックス・オン・ザ・ビーーーチッ(大和魂)」
という感じの…BARなんだろうか。
はい。ということでググるとありました。池袋にあるんすね。剣道他各種日本の武道を楽しみながらお酒飲める場所らしい。客層知りたい(´・_・`)剣道の先生方とか行くんだろうか…「いやーこの時の栄花選手のコテは鮮やかだったよねー」とかいいながら飲むんだろうか。
しょうもない話を終えて稽古場へ。
道場は小学校の体育館にあった。防具をおいておける部屋もあって、日本の部室と空気が(匂いも)一緒でなんか嬉しくなって写真とった。
セルビアであった審査会を終えて今日帰ってきたとかなのだけど皆やる気満々。
昇段審査の機会がトルコ国内だと限られているので他のユーロ圏にいって受けたりするらしい。
稽古は素振りから始まって、基本、地稽古としっかりした内容だった。
Enginは四段で僕と同じ段位。
4ヶ月のブランクは大きく全く身体が動かず、柔らかくなってしまった足の皮はズル向けになるし、腕は上がらないしで、Enginには一本取られた。
悔しいというかもう動けないのが恥ずかしすぎて、もっと稽古したいなーと思った。
タイ、マレーシア、トルコと稽古してみて、海外だから段位の審査が甘い、というのはあまりないように思う。
三段くらいかな?と思う人はしっかり三段もってたりする。皆ほんとに一生懸命やってるし、社会人でも1週間に4日も5日も稽古している。
「剣道は趣味じゃないんだよ。俺の人生の一部なんだ」
アフター剣道(飲み稽古)の時こういったのは僕ではなくEngin。テニスとかはさ、趣味だって言える。でも剣道は違うんだ、と。
イスタンブールでこんな事をいう人間に会えるとは、と僕は感動していた。
外に出てみてわかるけど、外国人剣士でレベルの高い人はかなりいる。
特にユーロ圏はかなりレベルが高いらしく、六段や七段をもっている人もいるらしい。
「剣道」がもつ哲学や思想を、遠い国の人達と共有できるのはおもしろい。
それが「殺し合いの技術」じゃなくて、人と人を繋ぐものである時代に生まれてよかったと思う。
剣道があるから最終的には日本で暮らしたいと思うしね。
オリジナル手ぬぐいまでいただきました!
いきなり訪ねてきた外国人を受け入れてくれて本当に感謝!
東ヨーロッパ武者修行編、になるくらい行く先々で稽古はできればいいんだけどなー。