アイスランド④氷の国の冒険
2月22日

モンスタージープ、と呼ばれるスーパーマシンに乗り込み、僕らはこの一泊2日のツアーのハイライト、『氷の洞窟』へ向かった。

「そりゃあ、普通の車じゃ無理だわ」
と納得の雪と氷の道をジープが走る。なんでも、毎日この雪原の何処に氷の洞窟があるのかツアー会社は確認しているらしい。

雪に車輪を取られ、進んでは戻りを繰り返しながら辿り着いた先に氷の洞窟の入り口があった。一見、ただの穴だが…。

狭い穴を潜り抜け、ほふく前進で、奥に奥に進むと…


言葉にならない青さ((((;゚Д゚)
「ここも含め、氷の洞窟や氷河の青さは、氷自体の重みで氷の中から空気がほとんど押し出されるから青くみえるのさ」
そんなガイドの科学ドッキリ説明もほとんど目に入らないくらいに美しい。

ヘルメットごと氷にスッポリ。

映画の中の世界みたいな氷の洞窟!ほんと、これは自分でレンタカーを借りても来れないので、ツアー参加してほんとによかった!違う惑星かよ!ってくらいの光景が広がっていた!

続いてはアザラシと流氷と戯れることのできるポイントへ(´Д` )

壮大すぎて、なんも言えねえ…。
アザラシかわいい…。

そしてツアーの最後に立ち寄ったのが映画インターステラーの撮影にも使われたという氷河。
「落ちないでくれよ」
というガイドの心配をよそに崖っぷちを進む僕ら。

うあーーっ!なんちゅう大きさだ!
悠久の時を経て積み重なった氷河。時間の先っぽに僕らは立っていた。

景色に見入っているとたまに「ミシッ」とか「パキッ」という音が聞こえてくる。
「あれは、氷が動いている音だ」
ガイドが指さす方向に耳を傾ける。
想像をはるかに超える大きさの氷の塊が今も動いていること、その音が自分に届いていること。自分よりはるかに大きなものを前にすると、自分の小ささや一生の短さを感じずにはいられない。
「人間の一生なんて、意味を持たせられるほと、たいしたもんじゃないな。ほんとに、自分ってちっさいな」
僕はそんなことを思っていた。
何億年の端っこで感じる、静かな激しさは確かに僕の心に突き刺さっていた。
意味なんてないのだ。僕にも、あなたにも。
この旅にも、人の一生にも。
「俺たちはラッキーだな」
ガイドの兄さんが言った。
「日本のパスポートもアイスランドのパスポートも、ほとんどどこへだって行くことができる。経済的にも状況的にも、こうやって世界中を旅することのできる人間は地球上の人口の数パーセントくらいだ」
26ヶ国。と思えばたいしてまわりきれていない今回の10ヶ月の放浪の旅も、僕が違う国に生まれて違う国パスポートを持っていたらかなわない夢だ。最後に訪ねた国で出会った旅の先輩から、この言葉をもらったのは大きな事だった。
結局、この日もオーロラは見る事が出来ず。
僕らは夜、レイキャビクの町に帰り着いた。
「ロッケンローール!!達者でな!」
ガイドのアイスランダーは力強く握手を交わすと大きな笑顔で去っていった。
氷の国の冒険もあと1日。
今回の旅もあと1日だ。