モロッコ②迷宮の街フェズ
11月22日















フェズの旧市街は世界一の大迷宮!
そんな言葉を噛みしめることになった1日だったと思う。

早朝、まだあまり人のいない旧市街を探検。地図をもっているものの、大体の勘を頼りに進む僕たちは、かっこよさげな細い路地を見つけては入っていき、焦るくらい細い路地に迷い込み、あたふたして楽しんでいた。

町を歩く人達は向こうから「サラーム」だったり「ボンジュール」だったり、話しかけてきてくれてすごく雰囲気がいい。ねずみ男みたいな人がたくさん歩いているのは、モロッコの民族衣装を来た人達。
しかしなんでこんな町の作りになってしまったんだか!歩けどあるけど目的地に辿りつかない。
「ガイドしようか?」って着いてくる鬱陶しい人もたまにいるけど、大抵の人は道を聞くと親切に教えてくれた。というか聞かなくても教えてくれたりする。

ふらふしていて立ち寄った良い匂いのするパン屋さん。見ていけ見ていけー!って優しく迎えてくれる。
スーク(市場)をぬけて、「タンネリ」と呼ばれる地域を目指した。

フェズの町は皮の加工で有名な町らしく、タンネリとは革を染料で染めたりしている人達の仕事場を指す言葉らしい。
歩いているとその場所に近づくに連れて、革製品独特の匂いがつんっ!と鼻をつく。思わす2人とも関西弁で「くっさ!」と叫んでしまうほどだ。噂では町全体が臭すぎるため人々はミントを常に鼻にくっつけて歩いているとのことだったんだけど、ぶっちゃけそんなことしてる人は誰もいなかった(´Д` )
「ニホンジン?タンネリ、タンネリコッチ、ナメシガワ。」というモロッコのおじさんの怪しい誘いに連れられて僕らは土産物屋ぽい家の屋上へ登った。

眼下に広がる光景は圧巻だった。様々な色の染料に運んで来た皮をつける男たち。

ずっと昔から続いてきたんだろう彼らの仕事っぷりに心を打たれるんだけど、とりあえず臭い。臭すぎる。
しばらく眺めていると土産物屋の親父さんが「もうええやろー」と僕らを呼んで革製品の説明をしてくれた。
ここの革製品はほとんどラクダで、ラクダの革は柔らかくて丈夫でとても品質がいいんだそうだ。確かに後から思うと、この町の革製品のクオリティはモロッコの旅を通して1番だったかもしれない。旅をするひとは、フェズの街で革製品をゲットしたほうがいいかも。
それからも
「むしろ迷っていこう!」
とバックパッカー根性丸出しでふらふらと彷徨う僕ら。

道で売っていたパン。おばちゃんがやたらお勧めしてくれて、チーズを挟んで揚げていてうまそうだったんだけど、一口で口の中の水分を全部もってかれる絶望的なパサパサ感。

謎のスパイス屋さんで、おっさんに不思議ハーブを押し込まれる僕。
「ガフッ」と咳き込んでしまうほど刺激的な匂いだったんだけど、まりもはうまく逃げていた。(鼻には押し込まれてた)

旧市街をぬけて、高台の墓地のほうへぬけると街が一望できた。少年達が「写真をとろう!」とやたら絡んできた。

お金を要求されることもなくて、単に人懐っこいだけみたいだった。
モロッコすげーいいとこだなー。

そして謎の「鳥市場」に遭遇。
「どうだい、俺の鳩。最高だろ?この胸の膨らみをみろよ。」とばかりに自慢の鳥を手に持っているフェズの人々。
く、食うのかな(´Д` )
飼うだけかな。。。
結局用途はわからずじまいだったけど、うずらから鳩、鶏、インコ、色んな鳥が売ってた。やっぱ食うのかな…。
昼時、腹が減ったので適当にその辺の兄ちゃんにいいレストランを知らんかねと声をかけてみる。
ニホンジンかー、俺の家族がニホンジンと結婚しててなームニャムニャとお決まりのパターンで話を続ける兄ちゃんだったが、この兄ちゃんに連れていってもらった場所は大当たりだった。
古い民家を改装して作っているこのレストラン。値段はモロッコにしたら少し高いけど、1人前で2人で充分満足できる量と質!

前菜がとりどりすぎる!全部うまい(´Д` )
モロッカンサラダが禿げるくらい美味い。

メインのチキンとアーモンドのタジン。
チキンとアーモンドってどうやねんとか思ってたけど、新しい味の地平が開けてしまった…。うますぎた。

極めつけにオレンジにシナモンかけたこれ´д` これはもうー、日本でもつくるしかない!
大満足のランチを終えてぶらぶらと宿に戻っていると、1人の少年が頼んでもないのに「ガイドしてやる」と色々話しながら後をついてきた。
昼を過ぎるとだんだんこういう輩が増えてきて、確かにちょっとうざい。
モロッコは世界三大うざい国の一つに数えられているとはいうけれど、僕の感想ではインドとは比べものにならないくらいひとは優しい。
ただ、この時の少年はさすがにずっとついてきてうざいなーと思ってた。
どうやってまくかなー、と思っていた僕らが曲がり角を曲がった瞬間。
角の向こうからきた男2人組と顔を合わせた途端に、猛ダッシュで少年が明後日の方向に逃げていなくなった。
この時のスピード、ボルトもびっくりの俊足。
僕らがぽかんとしてると、まわりのおっちゃん達が「彼らはポリスだよ」と曲がり角の向こうから歩いてきた男たちを指して教えてくれた。
宿のおっちゃんが言っていたけど、この街では警察の力がちゃんと働いていてタクシーがぼったくったり、違法ガイドがいたりすると途端にしょっぴかれるんだそうだ。確かに他の街では思いっきりぼってくるタクシードライバーも、フェズだけは安かった。

夜行バスで次の街メルズーガへ向かうため、フェズの駅へ。立派な建物。
バスのチケットもなんなく買えて、ぼくらは砂漠の街へ向かうバスに乗った。
なんだかワクワクして僕はまったく寝つけなかったんだけど、なにはともあれ明日はサハラ。
誰でも知ってる大砂漠サハラでカウチサーフィン!