踊る髭の冒険

30歳を目前に仕事をやめて旅に出た髭の人が世界中放浪した果てに結局海外大学院留学せずに帰国→家族でベトナム ハノイ移住→その後ドイツで大学院卒業→現在はカンボジアでのらくら。

コルタ・デル・ソル〜2週目

ということで、スペインに来て2週間が過ぎた。僕はというと日を追うごとに難しくなる授業についていくのに四苦八苦している。

「わからない」って辛い。なんて当たり前の事を思いながら日課の砂浜ランをこなしていると、そういえば旅にでたのや留学するのもそんな環境を求めているからだった、と思い出した。

ある程度色んな事が上手くいっていて日本にいたら僕はいつでも「安全な」場所にのらくらしていられた。足場があった。それは様々な積み重ねが産んだ素晴らしい状況ではあるのだけど、それに甘えていたら「いま以上」にはなれない気がしていたのだ。

食べて、飲んで、寝る、だけの生活をしていると「あのとき以上」どころかタダのデブになってしまう。
そんなわけで僕はできる限り時間を作って海岸ランを続けていた。
(実際には結構サボってた。)


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水曜日に学校のアクティビティでパエリアを作った。スペイン人のパエリアへの意気込みは物凄い。野菜や魚、鳥なんかからとるダシを前日から3、4時間かけて煮込んでつくり、イカや魚なんかの切り方までやたらこだわる。
ホームステイ先で作ったときも学校で作ったときも共通してたのは「本気」だったこと。パエリアはスペイン人の魂!と言わんばかりのマジさだった。

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パエリアを爆食いしながら(めちゃめちゃ美味かった)用意されていたサングリアをぐいぐい飲んでいたのだけど、サングリアの中にすっごい味のする木の実みたいなのが入ってた。
なんとも懐かしい匂い。そう、これはあれだ、歯医者さんで大きな虫歯が痛んだ時に入れるあれ。
『ユージノール』の匂いがする。
ユージノールはチョウジ油由来のものだったはず。

これなに?と先生に聞いてみると『Clavel』と教えてくれた。辞書を引いてみるとビンゴ!これがまさに『丁子』だった。


チョウジは昔から薬草としてつかわれたり、クローブという名前でスパイスとして使われたりして来たらしい。調べてみるととても面白い。



さて今週から学校のスケジュールが変わって他の日本人の生徒とも授業が同じ時間になった。現役大学生のAnriちゃんは僕よりスペイン語のレベルはかなり上で、授業で理解できなかったところなんかは午後から彼女に教えてもらったりしていた。

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絵葉書に貼る切手。かわいい。

Anriちゃんは学校終わってから一緒にブラブラしたりサッカー(っていってもボール蹴ってるだけだけど)したりしてたんだけど、なんせ僕より10歳も若いのでたまにわからない若者言葉が飛び出してくる。

「あたしパリピじゃないんでー」


パリピ……?


「なんていうかウェイウェイしてるー」




ウェイウェイ……(°_°)?


そんなこんなで僕は彼女からスペイン語に加えて平成世代の言葉を教わることになった。嗚呼、昭和生まれとのギャップ!



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で、ハロウィンがあったんですね。
Andreasは「あんなもん商業的な目的で行われてるだけや!俺はいかん!」と言っていたけれど、なんだかんだでこの日も一緒に楽しんでた。

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学校主催のハロウィンパーティーに、いったけど先生達も含めて仮装している人もおらず、一通りウェイウェイして僕らは退散した。



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週末、僕とAndreasとAnriちゃんでコルドバという町に遊びにいった。

バスでいくか電車でいくか…!と迷った末にAndreasが運転してくれることになりレンタカーで向かうことになった。結果これは大正解で、3人で割るとバスより安く、しかも早く着くことができた。

車内で助手席に座って僕はAndreasと話していた。彼はまた子育てや仕事について熱く語っていた。

「NoとかWhyと言ってやるのが、親の役目でもあるのさ」

惚れるわー。Andreasー。真顔でそんなん言われたら惚れるー。

Andreasは2月から新しい仕事に着くらしい。
59歳で、いまの仕事も管理職で別段困ったこともないだろうに「会社の方針が社会の為にならないと思うから」って新しい仕事に変われるだろうか?

「これが俺の最後の仕事になるだろう…」

なにこれスパイ映画のワンシーンみたい、と思いながら僕はAndreasの積み立ててきた年金の話とか聞いていた。
若い世代が少なくて年金システムが危ういのはスイスも同じなんだとか。

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コルドバといえば、メスキータという、イスラム建築の影響を受けているキリスト教の教会! 実は僕は6年前にもコルドバに来たことがあるんだけど、変わらずメスキータは素敵な場所だった。

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いやー、やっぱコルドバはいい街だ。
前回来たときも1番お気に入りの街だったけど、やっぱいい。町のサイズ感がいいんだよね。

そしてビールとハモン・セラーノ(生ハム)。何杯でもいけるぜ。

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スペインは週末になると(アンダルシアだけかもしれないけど)とりあえず道端でみんなワイン飲んでる。なんの集まりだよ!って思うくらい人がいると思ったら地元の人がただ飲んでいるだけだったりする。

こういう光景は楽しそうで、スペインってええ国やなと思う。

肝心のスペイン語はなんとか言葉を組み立てて文章を作れるようになったくらいで、なぜか来週から一つ上のクラスに上がることになった…。(クラスメイト全員上がれた)

ほとんどのクラスメイトは2週間で帰っちゃうので僕とAndreasは2人、来週から一つ上のクラスで授業を受ける。

いまでもいっぱいいっぱいやのにどうなることやら。


現実逃避にいまさら「あまちゃん」を見始めました。めちゃおもろいやんけ。

日本にいたら全然見る時間なかったんだよなー。(見る気もなかったのだが。)