踊る髭の冒険

30歳を目前に仕事をやめて旅に出た髭の人が世界中放浪した果てに結局海外大学院留学せずに帰国→家族でベトナム ハノイ移住→その後ドイツで大学院卒業→現在はカンボジアでのらくら。

キルギス②〜オシュマーケットとナスバイ〜

9月26日

朝からブログのアップとかして、昼過ぎからビシュケクの町をブラブラしてみた。

宿でスペイン人のフリュにマップを借りたものの、マップでは英語表記なのに、道の標識も店の名前もロシア語表記でなに一つさっぱりわからない。こいつは困った。

とりあえずオシュ・マーケットという1番大きなマーケットを目指す。

ここどこですか?と聞きながらなんとなく歩いてオシュ・マーケットを見つける。英語が話せる人も少ないのでなかなか大変だ。

でも女の人がロシア語を話すとすごくセクシーに聞こえる。
「ニェット」(英語のNo)の響きがなんかすごく可愛い。あんまり外国語が綺麗だな、とかおもしろい響きだな、と思ったことはないんだけど、ロシア語はおもしろいなあ。


マーケットでサモサとシシリクを食べた。サモサがほんとジューシーで美味いんだよ…インドの200倍美味い。

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マーケットは衣料品を中心に食べ物、生活用品、なんでも売っていた。

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フェルトの発祥地キルギスだと聞いたことがある。デザインも生地もほんと可愛いなあ。

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1番目を引いたのは革製品だった。
これは本当にすごいクオリティが高い。しかもかっこいい。




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食べ物を売っている辺りでブラブラしていると黒いつぶつぶを売っているのを見つけた。ペットボトルに入れて売っているのだけど、なんなのか想像もつかなくて香辛料か何かかな?と思って聞いてみた。

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英語はあんまり通じないんだけど、これなに?って聞くとタバコだと皆口を揃えていった。
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日本人かそうかー!サムライ!

隣でこれを買ってたロシア系のおじちゃんが試してみたらいい、と少しとって僕の手に入れてくれた。

こうやるんだよ、と店のにいちゃんが下唇を引っ張ってそこに黒いつぶつぶを乗せるんだと説明してくれた。

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僕は言われた通りにやってみた。

めちゃめちゃ唇の裏がヒリヒリする!!

おおーーー。。と唸る僕をみて皆は大爆笑。

5分間たったら吐き出して捨てるんだぜーという皆にスパシーパ!と礼をいって僕はまた歩き始めた。



1分くらいたったとき、身体に異変がおきた。

「あれ、なんかふらつく?」
最初は頭が少しぼぅっとするなと、思ったくらいだったが、少し経つとほとんどまっすぐ歩けなくなった。

これはやばいな。

ぼくはすぐそばにあった階段に座りこんだ。この黒い粒のせいだろうか?

だんだん指先までじんじんしてきて、頭の奥と喉の奥が熱くなってきた。立ち上がろうとするんどけど、遠近感がなくて手すりをうまくつかめない。

なんとか立ち上がってそばのトイレに僕は黒い粒を吐き出した。立ちくらみの酷いのがずっと続くような感じで歩けない。

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階段に座りこんでしばらく僕はじっとしていた。これは強烈だ!タバコっていうかもう殆どドラッグやんか!粘膜から成分を吸収するタイプの何かなんだろう。こんなに即効性があるなんて。

めっちゃ酔っ払ってるときと二日酔いが一緒にきたような気分の悪い感覚を15分くらい味わった。だんだんましになってきてほんまハラショーやで、と思いながらまた僕は歩きはじめた。

歩き始めてもしばらくフラフラしていて、結局小一時間は作用があったように思う。

ネットにはあまり情報がなかったのだけど、中央アジアで「ナスバイ」と呼ばれる噛みタバコ(まったく噛まないけど)の一種みたいだ。トゥルクメニスタンでは禁止され始めているらしい。

大学生の頃、噛みタバコは口腔がんの原因になると教えられたけれど、噛みタバコっていうかこれは、そらなるわ!ってくらい、刺激つよい。
東南アジアやインドのベタルナッツなんかとは比較にならないよ!

宿に帰ってBikaに写真を見せると「タバコっていうか、タバコとドラッグの間みたいな感じね!ハイになるやつ!」と言っていた。全然ハイになんねえよー、気分悪かっただけや。

ドラッグなんてもちろん試したことはないんだけど、こんな感じの感覚なのか。だとしたら絶対やりたくないなあ。
でもトランス状態で踊るシャーマン達はこういう感覚の中にいるだろうか。世界が揺れる超常な感覚。


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宿のHostel23でフリュと、ポーランド人のナタリーと夕方からビールを開けて、チーズを買ってきて、この日はずっと話していた。

韓国人や日本人が人生の道を決めるのにも親の意見を大切にするのが、すごく文化が違うように思う、とナタリーはいう。キルギスヒッチハイクだけで回った彼女はキルギスのよかったところも教えてくれた。
そしてポーランド人から聞くアウシュビッツの話は生々しくて、聞いているだけで恐ろしかった。

明日の早朝便でポーランドに帰るナタリーは深夜前に空港に向かった。

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なんというかこの宿のサイズ感がすごく居心地よくて、すぐに仲良くなれて楽しい時間をすごせた。

このビシュケクの町は、対して娯楽とからないんだけど、なんというか旅人を引き込む魅力があると思う。

僕とフリュはビシュケクでだらだらする旅人を『They are doing Bishkek』(ほんまビシュケクしてんなあ)と形容して遊んでいた。

自分も今日もビシュケクしてしまった。
まだ何も予定を決めていない。

10日間ずっとビシュケクしちゃうのも、いいかもしれないなあー。