踊る髭の冒険

30歳を目前に仕事をやめて旅に出た髭の人が世界中放浪した果てに結局海外大学院留学せずに帰国→家族でベトナム ハノイ移住→その後ドイツで大学院卒業→現在はカンボジアでのらくら。

東チベット〜ガンゼ〜

9月18日
 
 
乗り合いタクシーでガンゼの町までむかう。
これがなかなか人が集まらなくて、結局2時間くらい待った´д` ;

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4、5時間くらいの道中一緒だったチベタンのおじさんの髪の毛のアクセサリーがお洒落すぎた。民族ごとの特徴とかはわからないけど女性も男性も、赤い糸を髪に編み込んでいることが多い。うーん、それにしてもオシャレだ。
 
 
もうちょいでガンゼつくで!というあと30分くらいの距離でなぜか休憩が入る。

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みんな思いっきり草原に寝転んで寛いでる。牛糞なんて落ちてようが誰も気にもしないんだぜ♫
それにしてもほんまもう思いっきり休む。スローライフ感はんぱない。
早く行こうぜ〜と日本語で呟く僕を尻目に一行は結局1時間くらい草原で談笑していた。
 

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高山植物が生えてるね」
としんごは辺りを歩き回っている。しんごは北海道の礼文島で働いていた頃覚えた高山植物の話をしてくれた。エーデルワイス一種かな、と白い花を指差した。
 

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よく見ると辺りには小さい花が沢山咲いていた。高山植物は大きく育てないため小ぶりな花が多いが、よく見ると可愛い花が多い。ガンゼ付近の標高も3500mを超えている。
 
 
 
ガンゼについて腹ペコだった僕らはとりあえず麺と水餃子を食べた。

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水餃子はルーフォーの町で食べたものより上手い奴に出会わない。あれはまさに中華の極みだったぜ、、、(´Д` )
 

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ゴールデン・ヤク・ホステルという宿に泊まる。
ネット上で得た情報でなかなか評判の宿だった。

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シャワールームが無駄に宇宙的や!でもドアが閉まりませんでした。
ちなみにこの部屋だけトイレが流れず、頻尿界のプリンスことしんごを相棒に持つぼくとしては不安一杯のガンゼステイになりました。
 
 
空が突き抜けるくらい青い!
僕らは地図を頼りに町をぬけて、南にある川を渡ってゴンパ(お寺)を訪ねることにした。
 

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吊橋の向こうの青空にそびえるマッターホルン!(ちがう。)
うつくしすぎるぜー!

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写真にはおさまらんなあ、といいながら吊り橋をわたり対岸へ。
とりあえず金ピカに光るゴンパの屋根を目指して歩く。
 
小一時間くらい迷いながら歩くと大きなストゥーパが見えてくる。

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途中しんごが自ら水たまりに入っていくというアクシデントがあった他は(キリストは水面を歩いたというけれど…という僕の言葉にのって水面歩きに挑戦したしんご君の足元はみごとに靴下までびっしょびしょでした。)穏やかな道のりだった。
 

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お寺は新しくて立派。でもだれもいなくてしんごが靴と靴下を乾かしているうちしばらく寺でぼうっとしていた。
 
 
乾くわけねえ!とボヤくしんごがようやく靴を履いたので町に戻るべく歩き出す。途中、いつものように道に迷っているとチベタンの老夫婦が「町はあっちだよ」と教えてくれる。
「ンガ、ジャルペン」

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私は日本人です、というチベット語が初めて通じた人だった。しんごはほんと頑張ってチベット語を覚えていたんだけどなぜなんだか特に若い世代には通じないんだよなー
 
おじいちゃんは「飯でもくってけよー」っと身振りで誘ってくれたのだけど、となりのお婆ちゃんに「あんた!また知らん人にそんなんいうて!あかんに決まってるでしょ!やめときなさい!」みたいな感じで止められていた。おしどり夫婦感が見ていて微笑ましいかった。チベットでも女の人は強い。
 
 
町にもどって店屋をうろうろしてみた。
宗教的にも重要な町と聞いていたので厳かな雰囲気を想像していたのだけどガンゼの町は想像していたより都会で他の町に比べると車も人も多い。
 

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目につくのは僧侶系ファッションの専門店だ。チベット僧は茶色、黄色、エンジの色で服装を統一している。僧侶系ファッション専門店には僧衣だけではなく、そういう色味に合わせれるThe north faceのカバンとかI♡NYの帽子とかも売っている。

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何件も並ぶ僧侶ファッションストリートをお坊さんたちがそれぞれの格好良さを求めて店をはしごするのを見ると「ちょ、お前!その僧衣めちゃシブいやん!どこでかってん!」っていう会話も坊主内で繰り広げられているんだろうなあと想像する。。シブいぜ。
 
暗くなってくるとガンゼの町中で輪投げが行われる。ほんともう、「なんなの?仏教の儀式なの?」ってくらい町中で行われる輪投げ。輪っかがうまくかかるとかかったやつがもらえるよ!
 

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愛想のいい女の子が呼び込みをしていた食堂で晩飯。
「火爆肚条」
というストリートファイターの必殺技みたいな名前の食べ物に挑んだ。

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辛い!  でも、うまい…!!悲しいくらいに美味いっ!
 
もう一品の茄子と魚を食べるラー油であえたような奴も、ほんと美味い!
 
「す、全ての料理は四川に通ず!やで!」
 
その辛さが食欲を掻き立てる四川料理のおかげでぼくは中国に入ってから確実に太っていた。
でぶまっしぐらやで。
 
 
髭の人の誕生日だから!と帰りにガンゼに一軒だけあったケーキ屋さんでしんごがケーキを買ってくれた。そう、このドラえもんのケーキをジャケ買いした。悪ノリだった。
ドラえもんって日本から来たんだよね!」と笑う少年に
「そう。今日こいつが誕生日だからね。」としんごが応えたときの店のお兄ちゃんのドラえもんでいいのかよって苦笑を一生忘れない。
 

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「30歳おめでとうー!」
ということでドラえもんケーキでお祝いしてもらったのだが、ドラえもんの「青」の部分が筆舌に尽くしがたい、すさまじく人工的な味で一口目で
「…蝋?おれたちロウソクくってるの?」と2人してスプーンを止めた。
 

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「ここまでがわてらの限界やで…!」
悲惨に食い散らかされたドラ様の表情。
俺たち、食べ物を残すなんて、滅多にないのにっ。
 
そしてしんごは言った。
「…中国内地でこれからくるのは環境ビジネスっ、そしてスウィーツや!!」
 
しんごはその後中国全土に広がるスウィーツビジネスを立ち上げることになるのだが、それはもうパラレルワールドの話なのでもう置いておこうと思う。
 
中国のスウィーツ産業の未来を夢見て、ぼくの30歳初日は終わった。
 
素晴らしい10年になるような、そんな気がしてた。
(どうなることやら)