ダガンという祭り。
音楽が近づいてくるにつれ、人も多くなってくる。








ダガンの会場はテント張りで、地面にはシートと座布団が敷き詰められていた。人々はみんな伝統衣装を纏っている。
なんでもダガンというのは「だれかがコミュニティの一員として認められたことを祝う」祭りらしい。

会場の中心には祭壇みたいなところがあり、そこに皆が持ち寄ったお祝いの米とかお菓子が積まれている。

その祭壇の周りをひとびとがゆっくりとしたリズムで踊りながら回る。だんだんと輪に入るひとが増えていく。子どもたちがすごくかわいい。
「全員しってる人やー。会場入るのいややー。とりあえずお母さんくるまでまっとこう!」とTundup。
何を嫌がっているのかよくわからなかったがとりあえずTundupのお母さんを待って僕らは中に入った。奥のほうの席に座っているとバターティーを振舞ってくれた。

時が経つにつれて人が増えてきて会場は混雑してきた。

彼らの伝統に肌で触れている気がして僕は音楽と雰囲気を楽しんでいた。

その時Tundupの携帯電話がなった。
「私を去年からずっと付け回してる男が、ほとんど毎日電話かけてくるんだけどいまからマーケットに来いって。」
えー、2人では出歩いたらあかんのんちゃうかったん(O_O)
「でね、日本人の友達といるから無理っていったら『男か。気分が悪い、いまからそっちの会場にいく!』って」
ええええーー。
完全に痴話喧嘩に巻き込まれるやつや!
おれ、なんも、してない、ぞ!
「Tundup、そいつに会いたくないんやよね?!」
「うん。できれば」
「じゃあ、ここから出よう!(逃げよう)」
僕らは主役のまだ登場していない祭りをぬけて、町へ逃げた。Tundupはマスクをつけて夜道を行く。
途中細い道で僕らの横をバイクが走り抜けていった。
「いまのあいつだった!」
もう野犬なんかより怖えよっ!
なんとか町へ逃げてきた僕らは適当なチベット料理の店に入ってご飯を食べた。
「あたしいっつも、こういう男に付きまとわれるねんなあ。。。」
Tundupは多分優しすぎて、断り切れなかったり、冷たく接することができなかったりするんだろうな。
色々とお世話になったTundupと分かれて家へ帰った。

またどっかでな!という時、いつもどっかで寂しい気持ちになる。
特にこのラダックという土地は居心地が良すぎて、去るのも寂しい。
本当にたくさんのことをこの土地から、人々から学んだ10日間だった。
明日は5時起き。
朝一の飛行機でついにレーを去りデリーへ!