踊る髭の冒険

30歳を目前に仕事をやめて旅に出た髭の人が世界中放浪した果てに結局海外大学院留学せずに帰国→家族でベトナム ハノイ移住→その後ドイツで大学院卒業→現在はカンボジアでのらくら。

ライオンの島で。

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5月16日

 
6時半ごろ宿をでる。
まだ暗いメルシンの町を歩いてバスターミナルに向かう。
 
朝焼けが綺麗だ。
 
7時半にバスは定刻通り出発した。
ジョホールバルからのローカルバスの乗り継ぎも上手くいき、ノブコの家に昼前に戻ってこれた。
 
熱は完全に下がっている。体調もいい。
夕方まで少し休んで、シンガポールに向かう為家を出た。ノブコ達とは五時半ごろにシティースクエアで待ち合わせだった。
 
マレーシアとシンガポールの間はバスで移動できる。
 
ノブコやMikiちゃんは仕事の都合で「今日のランチ、シンガポールで食べた!」なんてことがよくあるみたいで、それくらいすんなり行き来できる距離みたいだ。
 
シティースクエアからバスが出ているのでまずマレーシア側のイミグレーションで出国。そのあとバスにのってシンガポール国境までいく。
 
「歩いても渡れるくらいの距離なんですけどねー、人が多いと2時間くらい入国にかかっちゃうんですよねー。今日は人が多いわー」
 
シンガポールのイミグレーションで列を作って並んだ。かなり入国に時間がかかった。そこからまたバスに乗り、シンガポール市内へ向かう。
 
シンガポールに行きたかったのは大阪で知り合いだった居酒屋の店員さんが、こっちで居酒屋を始めたからだった。
 
一発屋太郎」という屋号で居酒屋を始めた太郎さんを応援すべく、そして異国の地でビジネスに挑戦するその姿勢を一目みたくて、僕はマレーシアの後にシンガポールに渡りたいと思っていた。
 

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シンガポールはものすごく物価が高い。
ペットボトルの水が170円くらいする。
日本よりも断然高い!
 
今日一泊する宿に荷物を置いて移動、結局一発屋太郎についたのは21:00頃だった。
 
「ようこそ!明るい北朝鮮!いえ、東京24区へ!」

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そういって僕らを迎えてくれたのはMikiちゃんの彼氏のショージさんだった。大手銀行の現地駐在員として働くショージさんは先にここに来て一杯ひっかけていた。
 
シンガポールは「明るい北朝鮮」と呼ばれているらしい。町中を歩くと本当にゴミ一つ見つからないくらい綺麗な町だが、その実町中では徹底してルールが定められている。監視カメラでの市内のカバー率は99%、市内バスの動きまでGPSで完璧に管理されているという国なのだ。
モラルが高いからではなくルールを厳しくしているから保たれているこの国の状態を皮肉って「明るい北朝鮮」というのはおもしろい。
 

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たくさん旅の話をして、美味しい焼き鳥とビールをたらふく飲み、馬の投資の興味深い話を聞き、シンガポールで働く中華系のチャイさんに占めにラーメンまでご馳走になってしまった!
 

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ラーメンの味もかなり美味しい。
東京の人気店がこちらで店をだしていたりする!
 
久しぶりに胃の中でビールとラーメンが混ざりあう感覚がするぜ…(´Д` )しみわたるぅ。
 
その後、「マー様」ことマーライオンを見にいった!
 

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世界三大ガッカリ、なんて言われているけど、意外とよかったよ!思ったよりでかかった!
 
シンガポール人の平均年収500万くらいあって、350万円くらいの日本よりかなり高いんですよね」
 
マーライオンの後ろには世界の名だたる大銀行のビルがそびえたっている。
なんてバブリーな国なんだ。
 
「このあたりまででね、マレー半島は終わりです。こっから海側にある陸地はインドネシアから土を買ってきて埋め立ててつくった島なんですよ。いまはカンボジアなんかから土を買ってて、売ってる方はかなり儲かってるらしいです。」
 
ショージさんはマーライオンの横でそう言った。
 
シンガポールとマレーシアはもともと一つだった。50年前独立して(切り離されて)、1人の英雄がこの国を1代でこんな化け物みたいな国にした。
リー・クアンユー。彼はこの前亡くなってしまったが
理路整然とした、「過度に」といってもいいほどの徹底して理路整然さは彼のもたらしたものなんだろうか。
 
マレー半島の終わりに、半端なく発展したシンガポールという国。
台湾から下ってきて、いまここに立っていてなんだかそれは感慨深い。
 
 
今日はせっかくだから特別な場所にも行きましょう!
 
とショージさんは僕たちをマーライオンの後ろにあるビルの方へ連れていってくれた。
 

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ショージさんの会社が入っているビルの46階にルーフトップBARがある。
KLではドレスコードに泣いた僕だが今回はどうだろうか。ちなみに格好は前となに一つ変わらない。Tシャツと短パンだ。
 
ドキドキしていたものの、入り口にはこの時誰もおらず中にはすんなりはいることができた。
 
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夜景は絶景だった。
 
ビールを飲んで僕はぼんやり夜景を眺めていた。
 
シンガポールっていうのは、『ライオンの島』っていう意味なんですよね」
そういったショージさんの言葉がなんとなく頭に残っている。
 
大音量のクラブミュージック。
大都会の夜景。
酔いが進んで僕は頭がぐわんぐわんしていた。
 
ラオスのムアンゴイに住んでいたShaiがここからの景色を見たらなんというだろう。
 
「俺はオールド・バッファローだから。ライオンの気持ちはわからない。」
 
そんなことをShaiは言うだろうか。

踊る髭とShai. - 踊る髭の冒険


シンガポールの夜は更けていった。
 
(ちなみにドレスコードはやっぱりこの後怒られた。良い子はキチンとした格好でBARにトライしましょう!)