踊る髭の冒険

30歳を目前に仕事をやめて旅に出た髭の人が世界中放浪した果てに結局海外大学院留学せずに帰国→家族でベトナム ハノイ移住→その後ドイツで大学院卒業→現在はカンボジアでのらくら。

ジョホールバルはUnder Construction.

5月13日

7時くらいに目が覚めた。


もっと蚊に刺されまくるかと思ったが、リビングで眠ってもほとんどなんともなかった。

トイレにいくとKamaralのお父さんが朝ご飯を食べていて、来いこいと手招きをしている。眠気まなこをこすりながら僕は言われるがまま席につき、魚とご飯を混ぜたねこまんまみたいなご飯を頂いた。
もっと食え、もっと食えとお父さんは僕の皿にどんどん飯をつぐ。

「市場に行くからついておいで」

というお父さんとナサくんと一緒に車で市場に向かう。

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お父さんは魚と野菜を選んで車に積み込んだ。ここで仕入れたものを家のマートで売る。

お世辞にも大きいとはいえないこの商売で、6人子供を育てて、うち数人は大学も出させるなんてなかなか肝っ玉の座った父ちゃんだ。

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仕入れを終えてしばらくして、なぜかまた朝飯を食べにいくことになる。お父さんの体型の理由がわかった気がする。
Kamaral家族は本当に仲が良い。

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甥っ子と日本から持ってきたシールで少し遊んでた。


ジョホールバルに向けて出発直前にKamaralが自分のお気に入りの場所だからと、バイクで海に連れ出してくれた。

そこは、マングローブに覆われた小さな川が海に変わる海岸線だった。
あたりには誰もおらず、川と海と空が混じって、音もなくなんだか時間が止まっているような場所だった。

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「頭をまっさらにしたい時ここにくる」

Kamaralと僕はただ海の方を眺めてそこにしばらく立っていた。

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お世話になったお父さんやご家族に別れを告げて一路ジョホールバルへ。

2時間くらいのドライブだっただろうか。
Kamaralは仕事があって急ぐので途中のバス停で降ろしてもらう。時間は12時過ぎごろ。
日本人の友達とは17時半に会うことになっていたのでどれだけ迷っても待ち合わせ場所の「シティースクエア」には辿りつけるだろう。


来たバスを指差してこれシティースクエアにいくか?と尋ねる。すぐにバスは来て、すんなり僕は集合場所のマクドナルドについた。

全身がやはり熱っぽく、疲れていたためマクドナルドでバックパックを膝に挟んで眠る。3時間くらい熟睡していた。



「つーか、2月にもあったからそれほど久しぶりでもないな!」
17:30、ノブコは相変わらずの元気さだった。

ノブコはマレーシアにある日系企業で働いている。大阪ではシェアハウスに共に暮らし数々の出来事を共に経験した家族のような仲間である。

ノブコがシェアしているアパートが一部屋空いているということで今日から数日間そこに泊めてもらうことになっていた。

タクシーで移動して荷物を置き、中華系のローカル屋台へ。

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雲呑麺って「ワンタンミー」っていうんだけど、ワンタン入ってるスープに麺はいってくると思うやん。

でもワンタンスープと、中華風ソーセージのせ油そばみたいなのが別にくる。
マレーシアは僕の雲呑麺の常識を軽々とぶち破ってくれた。

「あまいものをたべよう!」
とシェアメイトのMikiちゃんとノブコの同僚の中華系の男の子の車で移動。

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マンゴー山盛りのやつを食べる。


ジョホールバルはどこを見てもクレーンが見える。

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まさにいま開発されている町。どうみてもバシバシ建てたいように建てているように思えて
都市計画とかちゃんとしてるんやろうか、と僕が呟くと

「ないですよー!まったくナイです!」
と不動産関係で働くMikiちゃんはいう。

やっぱり目先の利権に目がくらんじゃいますよねー。

そうだよなー、人間なんて100年も生きないんだからどうやったって自分が生きてるうちの目の前の事に目がいくよなあ。

ジョホールバルでは建物がどんどんと建てられる横で、建てられたそばから倒産して廃ビルになるビルがある。

もうすぐバブルも弾けるんじゃないかって言われてますけどね。

そんなMikiちゃんの一言が熱っぽい頭にさみしく。必ず衰退していくとわかっていてもモノをつくらずにおれない時の流れと人間の性を、無常だなあ、と僕は思ったのだった。

熱っぽいのにマンゴー・アイスを食べたからか夜熱が少しあがった。

ノブコが冷えピタをくれて、僕は早く熱が下がるようにと祈りながら眠った。