踊る髭の冒険

30歳を目前に仕事をやめて旅に出たナッカーサーが世界中放浪した果てにイギリスの大学院に留学するのかどうか、という毎日を綴るブログ。可能性迷子の毎日をお届けします。

きょう、飛行機に乗れませんでした。〜サウジアラビアの受難②〜

11月30日

「とにかくダメ。もうダメダメ。とりあえず、荷物チェックの前まで戻って出国審査カウンターの手前で職員に聞いて」

みたいなことをサウジアラビア人空港職員に言われ、WTF!な状態のフィリピン人のおっちゃんとどうしようもなくいわれた通りにその辺りへ向かう。

人生初のミスフライト。しかも余裕あるトランジットだったのに。ダサい。ああ、ほんとダサい。


「飛行機に…乗れませんでした…」
そう言ってボーディングパスをちらつかせる僕らを職員の人達はとりあえずここで待ってろ、と出国ゲートすぐ横の椅子にかけさせた。しばらく待ってると同じ状況のインド系アメリカ人のおじさんが来た。おっちゃんはムスリムらしく、しきりにインシュ・アッラー、インシュ・アッラーと唱えている。

フィリピン人のおっちゃんもインド人のおじさんもどちらもバリバリのビジネスマンらしく、とりあえず「フライトを逃す=職を失う」というとっても単純な方程式が成立してしまうらしい。

僕なんてただの旅人なので心配なのはチケット代がどうなるのかくらいだったのだけど、おじさま2人には大問題だ。

「おいおいおいおい、勘弁してくれよ。NYの後ダラスに乗り継ぎで、そこでの会議に出席できなかったら完全に職を失っちまう!インシュ・アッラー!いや、落ち着け私。神に祈っているから大丈夫だ。インシュ・アッラー!」とインド人のおじさん。

「いやいやいやいや、俺がもしNYでの技術コースに参加できなかったら、一体何千人の人達の仕事に影響がでるって思ってるんだ?うちの会社はこのコースに俺を送るのにもう五年も待ってて…ガッデム!」とフィリピン人のおじさん。

大人ってたいへんだ!(´Д` )


3人揃ってじっと椅子に座って待つも、なかなかどう動いたらいいとか指示はこない、一時間くらいまって、ようやく太った鈍そうなサウジアラビア人がやってきて(仮にこいつをアブドラと呼ぼう。全世界のアブドラさんごめんなさい。)、なんかパスポートよこせ、とかフライトチケット回収したりだとかするんだけど、ウロウロしているだけで一向に話が進まない。しかもアブドラは英語ができない。同じ状況にいるおじさん2人はサウジアラビアで働いているものの、アラビア語はできない。

アブドラは「ほんともう勘弁してくれよ」という表情でウロウロしてたまにトランシーバーで誰かと連絡をとっている。が、どうみても冴えない。

そのうちなぜか僕のチケットを指差して「トランジット、ノー!」と叫び始めた。なにがノーなのかさっぱりわからない。畜生、アブドラめ。


2時間くらいたって、フィリピンとインド人のおじさん達は出国スタンプがキャンセルされて、一旦出国扱いになり「とりあえず航空会社のカウンターいってくれ」と言われて出て行った。

俺たちは同志だから!とインド人のおじさんは手を振ってくれたが、僕はこの時やっと自分が「トランジットだけでサウジアラビアにきてるから入国すらできない」状態にいることを悟っていた。

そのあと、アブドラが僕を長時間トランジット客の為の小さなラウンジへ連れていった。そこには見た感じ確実にアブドラより出来そうな人達がいて、英語も話せた。

「なんで飛行機乗らなかったの?」

なんでって、だってゲート表示されなかったんだもん!と主張するもまさに暖簾に腕押し。それに対してはリアクションすら帰ってこない。

中でもボスっぽい高そうなスーツをきたメガネの男が僕にゆっくりとこういった。

「いいか、お前には二つの選択肢がある。ひとつ、次のサウジアラビアエアーのフライトまで2日半このラウンジで待つ。ふたつ、他の航空会社の便で今日NYへ向かう」

どちらにしろやはり航空券代は自分で負担しなければいけないらしいがサウジアラビアエアーの方が断然安いのだが……
2日っておい( ゚д゚)


続く