踊る髭の冒険

30歳を目前に仕事をやめて旅に出た髭の人が世界中放浪した果てに結局海外大学院留学せずに帰国→家族でベトナム ハノイ移住→その後ドイツで大学院卒業→現在はカンボジアでのらくら。

キルギス③〜I am Bishkeking now〜

9月27日

朝起きてブログの更新に勤しむ。
貯めたらやっぱ大変なんだけど、ネット環境と時間がないとなかなか難しい。

でも誰よりも自分の為だから毎日分書くのは続けたいと思う。


昼頃に行ったんでかける。
特に目的もなくぶらぶらビシュケクの町
を歩いた。

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一昨日いったハンバーガー屋さんでハンバーガーを食べる。肉がラムで、マヨネーズがたっぷりなんて、自分が好きな要素しかなくってもういくらでも食べれそう。(また太る)


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ビシュケクの南の方に歩いて行くと今はもう使われてないような電車の線路を見つけた。ここから先にも歩いたけれど、だんだん人通りも無くなってきて、GoogleMAP上で何もないところに廃墟が立ち並んでいて、なんだか怖くなって引き返した。


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こんな風に書くとビシュケクっていうかキルギスってやっぱり治安良くないの?って思われそうだけど、昼間歩いてる分には平和すぎて脳が溶けるんじゃないかってくらい平和。人口密度めっちゃ低い。

そしてプレステ屋さんがめっちゃある。これ、車の洗車とか空いてる間に「ま、暇だしプレイステーションでもしますか」って感じでみんなでプレステするところらしい。

ここに一ヶ月住んでるスペイン人のフリュも夜出歩いても、暗いけど怖いと思ったことはないなあ、ってことだったので、クラブとかお酒飲む場所に深夜までいたりしなければ治安は大丈夫なんじゃないだろうか。

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レーベンブロイヒューガルデンなんかのビールもめっちゃ安い。1ソムだいたい2円で計算してください。日本のバーとかだと700円とかするのにね!


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やることないのでスーパーにいく。
安いインスタントの面と少しの野菜、ほんでビール、チーズを買って宿に帰る。
もうビールとチーズがあれば幸せや。

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こんなビールをジャケ買い
適当に麺を野菜とミックスしてフリュと昼飯を食べる。

麺、ビール、チーズ。もうほんまハラショーな昼間やで。


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オーナーのBikaがルンルンで帰ってきた。「ついにうちにも電子レンジが🎵」
僕も自分達のシェアハウスに新しい冷蔵庫が来た時とかめっちゃ嬉しかったので、家電が増える喜びはよくわかる。

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少しでもロシア語を覚えようと調べてみて、Bikaの前で発音してみるも発音自体が難しすぎる。
この1番上の音、日本語の「ズ」に近いのだけど何回発音してもBikaには違うと言われる。正しい発音をしてくれるんだけど、違いがわからない。
どうやら「ズ」を上下の歯を合わせて下を口の中のどこにもつけずに「ズ」と発音すると近いみたいだ。

面白いのは僕が「同じだ」と思う音を「違う音」と認識する言語があるということだ。
英語のLとRも普通に日本で育ったら正しい英語のLもRも聞き分けれるようになるのは難しいと思う。それと同じように他の言語でも色んな「僕らの認識していない音」があるのだろう。

ある南米の部族は青と緑の色を区別しない、という話を聞いたことがあるけどこういうことは視覚的なところでも案外たくさん存在するのかもしれない。



夕方までだらだらしていて、ほんとビシュケクしちゃってるなー!って話をフリュとしていると、もう一人ここに住んでいるスペイン人のおじさんが急に部屋からリビングにやってきてなんだか怒ってる素振りをして帰って行った。

ボディランゲージの違いで最初僕は怒っているのかどうかもわからなかったのだけどフリュ曰くなんか怒っているらしかった。そんなに騒いでいたわけじゃなかったので何が気にさわっていたのかわからなかったが。

「あの人、ちょっとおかしいんだよね。初めてあったときからさ、クレイジーな感じがする。昨日も1人でずっと喋ってたしな」

僕らはなんだか興ざめして、町を歩きに行った。
実は明日からSong kolという湖にフリュと出かけようという話になっていた。近くの村から馬にのっていけるらしく、僕は結構楽しみにしていたのだけど、さっきのおじさん一人だけを宿にのこしてオーナーのBikaを一人にするのは不安だとフリュは言う。確かに、あの人は怖い。結局とりあえず明日まで考えようということになった。

フリュはスペインではパン焼き職人をしていたらしい。
いまは旅をしているけれどどこかここ!という場所を見つけたらそこでパンを焼く仕事をしてもいいな、と話していた。
「サッカーは好きだったんだけど、今のヨーロッパにはなんていうか『規範』みたいなもんがないんだよ。サッカーで盛り上がって、みんな熱くなって、うまくいかなかったら怒って、クレイジーにだんだんなっていく。自分もそうなっていきそうな気がして、俺はサッカー、辞めたんだよね。」

情の修練をしないと剣道強くなれませんよ、と昔師匠に言われたのを僕は思い出していた。
フリュはアジアの武道に興味があるらしく、僕は剣道や合気道の話をした。

ヨーロッパではキリスト教の精神はほとんど失われてしまって、もう物質崇拝者ばかりだと彼はいう。
お天道様がみている、という意識を多くの人が持っている分、日本人のほうがよっぽど宗教的で、精神的な民族かもしれない。



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初日に来たレストランでマンティとラグマン(うどんみたいなの)を食べる。ここのレストランほんと美味いんだよなー!しかも安い。今度はきっちり写真とりました!
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すっごい満たされて宿に帰って休んでいてトイレにいくと、その帰りにさっきのおじさんがいきなり僕の前に立ちはだかった。
おじさんはあんまり英語が上手くないんだけど
「ヘイ、メン。今は西暦2015年だ。人類はそれよりずっと長い歴史を持ってるわけだ、お前にもそれはわかるだろう。だからそう、言語なんか通じなくても俺たちは通じあえるはずだ。そうだろ。愛と平和だ。皮膚や目の色なんか関係ないんだ」

もういきなり何言ってるのか全然わかんなくて、正直ほんとぽっかーんだったけど。
わかる、賛成。ラブアンドピースだね、つって握手して笑顔で流した。

すぐそばの部屋の中でやり取りを聞いていたフリュは「こっわーw」という顔をしていた。
確かにあのおじさんはちょっと、怖いかもしれん。



明日から山に行けたらいいなー。
馬に乗って、草原を駆けたい。