踊る髭の冒険

30歳を目前に仕事をやめて旅に出た髭の人が世界中放浪した果てに結局海外大学院留学せずに帰国→家族でベトナム ハノイ移住→その後ドイツで大学院卒業→現在はカンボジアでのらくら。

成都へ!

9月10日

コルカタ昆明成都 というフライトに乗った。
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昆明はトランジットだけだったんだけど、雲南省のパンフレットを見ただけで萌えた。
少数民族の村を訪ねに、行ってみたいなーーー。しかしそれはまたいつかにとっておくということで。

チベットの旅には日本からShingoという友人が合流する。待ちに待ったShingo登場だ。(だれ。)
数日彼を成都で待ち、空港合流のチベット行き予定。

チベットのあとはどうしようか(Shingoは東チベットのみ)、ウイグルへ抜けて中央アジアへ列車で。。。とも考えていたのだが、いかんせん考えてみるとあんまり時間がないのと40時間列車に乗るんだったら他のことしたいなあ、ということで色々考えた末に

馬術を習得しにキルギスへ行くことにした。
「お父さん、馬に乗れるんだぞ」
まだ見ぬ自分のこどもたちにそんなことを言いたいだけのいわば出来心である。


さてインドの旅を振り返り、読んだ本のなかのこんな言葉を引用しておく。

『六法全書のペ ージが薄くなる社会 、それこそが理想の法治国家であり 、文化国家であるはずである 。そして 、それを可能ならしめるのは 、ほかならぬ人間の宗教心である 。宗教という言葉が嫌なら 、人間か自己を超えたもののきびしい目を感じる心をもつこと 、と言ってもよいだろう 。すなわち 、頭からふとんをかぶっても 、どこに逃げ隠れしても 、すべてを見透かされていると意識し 、畏怖する心である 。その 、自己を超えたものを 、神と呼ぼうと 、宇宙の原理ダルマと呼ぼうと 、大自然 、または大自然の法則 、摂理と呼ぼうと 、人間の内なる良心と呼ぼうと 、あるいは遠藤周作氏の最晩年の名作 『深い河 』 (一九九三年 )の表現をかりて 「玉ネギ 」と呼ぼうと 、なんと呼んでもよいわけである 。ともかく 、人間はなにかの前で畏怖し 、謙虚になるのでなければならない 。それがなくては 、人間の性は今日のような物質万能社会では 、本能の赴くまま 、ますますひもじく卑しくなるばかりである 。』

ほんまそんなんいうてなんでヒンドゥー教信じてる人たちは業(カルマ)とかも信じてるのに平気で人騙したりするんすかね?っていう疑問は頭から消えないんだけど、本当にこの部分に書いてあることはもっともだと共感する。

近年「スピリチュアル」という和製英語が指す現象が、一般的に受け入れられ、占いとか、ヒーリングとかそういうのが日本では大流行りだ。僕はそういうものに頼ったり、俄かに信じたりはできないタイプなんだけど(楽しむのは別にいいと思う)、もうどう足掻いたって、科学的見地からみたって、僕らは「宇宙ができた後で生まれてきた」わけで「人間に理解できない領域」なんてものは確実に存在する。

大切なのは、そういうものがあるという感覚を持つ、「謙虚さ」なんだろう。
仏教、ヒンドゥーイスラム、クリスチャニティ、あらゆる宗教と呼ばれるものにおいて(その一言ではなかなかくくれるものでないのだろうが)共通するのはそういった「絶対的に遅れて生まれてきたということに対する謙虚さを持つこと」なんだと思う。

そういう意味でぼくはかなり、宗教的な人間なんだろうな。何教徒とかでなくても。(こういうとすごく怪しい人みたいだね!)日本人は特定の宗教みたいなものをもってなくても、この謙虚さを持ってる人が多いよね。だからすごくモラルのある人たちが多いんだと思う。



朝、成都についた。
「中国はね、英語ができる人がでかい顔ができない、最後の聖域ですよ」
4年くらい前に中国に行った時そんな事をいわれたのだけど、まさにこれはその通り。
基本的に英語は通じない。


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バスで市内へ。

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成都は何と言ってもパンダの故郷!なんだ?ごはんだ?いや、パンダ!!
はい。どこにいってもパンダ押しです。

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成都北駅の周りで刀削麺と肉まんを食らう。
さすがは四川!インドカレーに飽きてた僕もびっくりの辛さやでΣ(・□・;)
この真っ赤な麺は辛さもさることながら、油っこくて最後まで食べれなかった!

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成都の宿はMix hostel ドミ900円くらい。スタッフがすごく優しい。
ここはなかなかオススメ!




夜中の飛行機と乗り継ぎで全く眠れなかったので、夕方まで眠る。
宿のスタッフのオススメで夜、錦里小町という場所へストリートフードを食べに!
武候祠っていう三国志劉備の墓があったりするところのそばにある。

バスで向かったんだけど乗り方がわからずあたふたしているとおじさんが助けてくれた。

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いくら払えばいいのか、僕がもたついているとおじさんは自分のICOCAみたいなカードをピッとかざしてくれて、いいから席に座れと僕を席へ連れていった。

いきたいところまで案内してくれただけでなく、僕がいくら「お金払うよ!」といっても、いらない!といって受け取らなかった。
ずっと話しかけてくれるんだけど、中国語で何言ってるかわからなくて書いてくれと紙とペンを渡した。

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「新疆?それとも甘粛から来たのか?」

新疆ウイグル自治区は中国北西にあるイスラム教の人たちが多い土地の名前!髭でですかね?!
鉄板のひげネタ!

僕は優しく横に「日本」と書いた。おじさんは「あーなるほどね。でも髭がー」と頷いた。

僕は内心「なんか最終的に騙されるんじゃなかろうか」と疑っていたのだけど(完全にインドでスれている)おじさんは最後まで何も要求せず、「ここで降りるといいよ!」と教えてくれたのだった。

…なんていい人なんだ。
インドで道で地図を広げようものなら2000%カモられるというのに。


巷では戦後70年、抗日がどうこういうてます。そういう広告も街に貼ってます。
過去の歴史もあるだろうし、これからの日中関係、安保問題、いろいろあると思うんすよ。
中国政府がチベットウイグル自治区で行ってる民族浄化とか(それもネット上での知識で本当はどうなのかわからない。その一端を感じに今回東チベットへいくのだけど)ほんとあり得ないと僕もおもう。

でもね、ほんと中国の人優しいよ。一般化できることじゃないかもしれない、少なくとも僕が歩いたなかではいつだって誰か助けてくれたし、日本人だからって悪いことされたことは一度だってない。
もちろんそういう人達だっているのかもしれないけどね。僕が見た中国はそうじゃなかった。


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錦里小町はすごくいい感じ。伝統的な建物が並ぶなかにいろんなお店が並んでる。
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なんか色々食べれて、雰囲気にも浸れてまんぞく!

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帰りは一時間半くらいかけて歩いてみた。
成都はすっごい綺麗な街なんだよね。ゴミなんてほとんど落ちてないし、クリーンな大都会。
なんか僕のイメージなんかより中国ってほんとに発展してるんだなーと。

あと綺麗な女性がおおい。(気がする)
でもなんでぽっちゃりおじさんとスレンダー美人の組み合わせが多いのかなー。
やっぱり金か?!とか俗なことを思っちゃうけど、好みの問題だとしたら旅先でさらに痩せた僕にこの街でまったく勝ち目はない。


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毛様の像。あれだね、毛様ってかくとすごく愉快。毛。


そしてこの日、僕はあのバスのなかでトレードマークの帽子をなくしたのでした。
それにかなり経ってから気づくというね。そういうとこやで自分。
まあそろそろターバンを巻けという、天からの啓示なのかもしれません。

帰って宿で青島ビールのんで就寝。
明日は中国人の友人と再会!