踊る髭の冒険

30歳を目前に仕事をやめて旅に出た髭の人が世界中放浪した果てに結局海外大学院留学せずに帰国→家族でベトナム ハノイ移住→その後ドイツで大学院卒業→現在はカンボジアでのらくら。

遠い聖地、ブッダガヤへ。

9月4日①

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朝7時の電車に乗るのに5時ごろ宿を出たのに、結局5時間駅で待つことになるという、インド列車の悲劇…。

色々読んでるとこんなもん序の口なくらいインドの列車遅れるのな(^ω^)


来ないなー、と待っていて駅員に聞くも、「遅れてるんだよねー、いつくるかわかんないねー」というだけで、いつくるかわからないのを待ち続けるのって結構辛い。

隣に座っていたお兄さんに同じ列車を待ってるのか?と聞くと、違うけどあんたの列車調べてやるよとスマホのアプリで遅延を調べてくれた。

インド人は列車の現在地がわかるアプリがあるようで、あと一時間でくると教えてくれた。

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一時間なんてすぐだよなー。とホームでバックパックに座って待っているともう変な奴らに声をかけられまくる。

殆ど無視していたら大丈夫なんだけど、この日は強烈に変なのがいて僕が呼ばれても振り返らなかったら、ずーっと一定のリズムで手を叩きながら僕の右側で「オッ、オッ」と声をあげてる人がいた。

これはもう「振り向いたら終わりや!異世界に連れて行かれるやつや!」と意地でも気づいてないフリを通した。
もう般若心経唱えようかと思ったくらいだった。

結局30分くらいずっといたけど諦めたのか(何かを)彼は去っていった。
隣で列車を待っている兄ちゃんが「おまえ、大変だったなあ…」という顔をして労ってくれた。

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修行中なのか、なんでこの人はこんな事やってるんだろう。
悟りってそういうことの先にあるのか。


列車はとことんこなかった。


もう変な人達があまりにも煩わしいので待合室らしきところをみつけてそこで待つ。

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隣のおっちゃんがいい人そうで、列車のアプリを見ていたので調べてくれないかと聞くと「君の列車は20km向こうにいる。もうすぐくるんじゃないかな」と教えてくれた。

そこからも逐一、あー、まだ遅れてるねとか調べて教えてくれてすごく心強かったので、誰も信じられないけどとりあえずおっちゃんの横にいることにした。

チベット仏教の本を読みながらウトウトしていた。暑い。冷房とかはない。

1時間。まだ列車はこない。

「あと10kmのところまできているぞ!」とアプリを見ておっちゃんはいう。

結局、20kmの距離を2時間かけて列車はきて、5時間遅れで駅を出発した。
もう列車が来た時の感動ったらない。


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「いい旅をな」
と別れ際におっちゃんは言ってくれた。
「お金」ともいわなかったし変なツアーに誘われたりもしなかった。
インド人の普通のいいところに触れただけでこんなに嬉しいと思うなんて。ありがとう、おっちゃん。


とことん遅れた列車なので、ここからもとことん遅れることを僕は覚悟していた。

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エアコン付きの車両をとったはずだったのだけど、なぜか扇風機すらなく、車内は灼熱だ。窓際の席だったのでまだ風が入ってきてよかったけど、この窓はガラスがなく格子だけで、違う列車とすれ違うたびに「小石とか飛んできたらアウトだな」とビビっていた。


車内では狭い廊下を色んな事をしながら物乞いをする人達が通る。
その中でも強烈なおばちゃんがいた。化粧のケバい、手塚治虫が「ア○ズレ!」と表現しそうなおばちゃんが
「お兄さんたち、いい男ねー。」とやってきて、何をするでもなく「お金頂戴よおおおーー」と唸る。

同じ場所に座っていた僕を含む男たちは誰もお金を渡さなかったんだけど、そしたらおばちゃんは「べーーーべろべろべーーー!」と舌をだして変顔をして去っていった(°_°)これには一同ぽっかーんで、「インドって、ほんと、深い国ですね」って僕はうんうん頷いていた。




そんな灼熱の車両も3時間ほどでガヤの町についた。予想に反して列車は早くついてほっとした。

しかし聖地は遠いなー。一筋縄じゃいかないっすね!

ここからはトゥクトゥクでブッダガヤを目指す。

僕はこの町でインド初のCouchsurfinにトライしていて、ホストのRaveenが教えてくれた住所に向かった。