踊る髭の冒険

30歳を目前に仕事をやめて旅に出たナッカーサーが世界中放浪した果てにイギリスの大学院に留学するのかどうか、という毎日を綴るブログ。可能性迷子の毎日をお届けします。

インドの洗礼。大いに騙されかけた1日

8月31日
ザ、インドな日。

Modern Art museumがいいと同室のフランス人から聞いて、町を見るためにも近くまでトゥクトゥクでいってそこから歩いてみることにした。


コンノートプレイスというデリーの中心みたいなところで降りて、インド門がある方向へあるく。

途中、何人かに親しげに話しかけられるもスルーしていたのだが、しばらく歩いたあたりで自然に道が一緒になった小ちゃいおじさんがなんとも自然に話しかけてきた。

「どっからきたの?」から始まって
色々話をしてた。

最初は警戒していたのだけど(自分から話しかけてくる奴は120%怪しい)あまりにも偶然一緒にあるいてる感があったもんだからなんとなく、気になっていたことを聞いてしまった。

「この辺りにSimカードを買えるところはある?」

もちろん!とちっちゃいおっちゃんは言って「コンノートプレイスにある政府のやってるインフォメーションセンターにいくと、すぐに買える。店で買うより早いし手続きもしてくれるから確実だよ!」

僕は普通にそんなのもあるのかー。つーかインド政府ツーリストにSimカードなんか手配してんのか?まじか?とか呑気に思ってた。

で、Modern art museumにいくつもりで歩いていたのだけど、僕はなに一つ下調べもしておらず(旅行者の風上にもおけない無計画性だ。)
「まあまだ早すぎて空いてないだろうし、先にSimカードをゲットしてきたらどうだい?」というちっちゃいおっちゃんの言葉に

普通に「それもそうか(・ω・)」と納得してしまった。

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なんなら俺がトゥクトゥクを止めてやる(この間がすげーなめらかだったんだよ)と、すげー自然にトゥクトゥクを止めて「10ルピー以上払っちゃだめだぞ!」と半端ないくらい安い値段でトゥクトゥク手配してくれちゃったんだよね。いまみたらすげー腹立つ顔してんなおっちゃん(^ω^)



で、ものすごいスムーズに来た道を逆走してコンノートプレイスのちょい脇道に入ったとこにある
「政府のツーリストオフィス」たどり着いた。政府の施設にしたらやたら入り組んだとこにあんな!とは思ったけどそこまででかい違和感はそのときなかった。

ものっすごいウェルカムな感じで受け入れられておくのボスっぽい人のとこに通された。恰幅も身なりもいい、メガネの男だ。

Sim買えるって聞いて、と無防備な切り出しをすると、「もちろんVodaphoneが1番だ。すぐ手配するからパスポートと写真を。」って言われた。

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そのコピーをとられているときに、費用は諸々合わせて1500ルピーだと言われる。たけーなー、インドSimそんなに高いの?とか思いながらとりあえず払う。

次はどこに行くんだとか色々聞いてくる。

「なんならブッダガヤの周りを300ドルくらいで回る車を手配しようか?向こうにいってから手配すると高いぞ」と何やら電話でやりとりしながらやっている。

まったく高すぎるのでそんなもの手配する気は無かったが、まあ考えとくわーくらいで流した。このときから「怪しくね?」と思ってた。

1時間くらいかかるといわれ、とりあえず周りを歩いてくるわー。と「政府の」インフォメーションセンターを出る。なぜかガバメントオフィサーらしき人が着いて来て、「バラナシの地図はもっているのか?ないならあそこでタダでもらえる」と向かいの「ツーリストオフィス」に連れて行かれる。

(O_O)ツーリストオフィス多くね?



で中には怪しいおっさん達がいて、やたら親しげに日本語で話しかけてくる。
「京都に昔住んでて〜あの3条通りのあそこあるでしょ〜インド料理屋〜」という典型的過ぎる口上で、典型的な「そのバラナシ行きのチケットホンモノ?ほんと?」という切り口で不安を煽ろうとしてきた。

はい、もういい。と言って僕は「ツーリスト・オフィス」を出た。

これはあれだな。もしかするな。

しばらくその辺を歩いてると完全に鬱陶しい奴らが声をかけてきて、そのうち何人もが「そこにあるのが『政府のツーリスト・オフィスだ!』と何箇所もの青いi マークを掲げるを指差して僕を誘導しようとするじゃないか!

ああ、もう逆に笑えるぜ!笑えるくらい騙されてるぜ!自分!!


さて、とりあえずどうするか。
お金を返してもらわねば。あと0.01%くらい『あそこだけが政府のツーリストオフィス』だって可能性と、2%くらい『大阪の友達が海を越えてしかけた壮大なドッキリ』だという可能性が残ってる。

レシートを貰わなかった自分の浅はかさを呪いながら僕はとりあえず、初めの『政府公認のオフィス』にもどった。

えらく早く戻ったな、みたいな態度で迎えられたがとりあえずさっきのおっさんと同じ部屋でSimを待ってるふりをして話す。

「あんたこの仕事長いの?10年?公務員ってことになんの?ふーん」
「お前は国でなにやってんだ。」
「歯医者。いま辞めてるけどね」
「インドじゃ仕事を一回辞めたら必ずその席を他人に取られるからな。考えられんな」
「ふーん」

みたいな世間話のあと
「さっきこの辺を歩いてるさたらさ、めちゃくちゃニセモノの『インフォメーションセンター』があったんだよねー。凄く鬱陶しかったよー。声かけてきてさ。いやー、ほんと本物にたどり着けてよかったよ。ところでここが本物だって証明できる、よね?」

おっさんは一瞬動きがとまって壁を指差して「許可証みたいなもの」を指差した。そんでインドルピーと同じライオンがプリントされているのを指差して「政府以外にあのマークは使えないのだ」といった。

そんなもんだれでもコピーでもなんでもできるやないか(°_°)なんという幼稚な嘘を。まあそんな奴らに絶賛騙されてる自分が1番おもろいけども!

約束の1時間まであと20分くらいあったが、まあとりあえずイライラしてるふりをしてプレッシャーをかけてみる。

で、結構ほかにも西洋人が来てて(たぶん)騙されてるのをガラス越しにジロジロみてた。
隣の部屋の白人がいかにも気弱そうな人でもうえげつないくらいインド人にまくしたてられてて可哀想な感じになってた。

「何を探してる」
僕があまりにもキョロキョロするのでおっさんはきいた。
「Simはまだかなと思って。だいぶまってんだよね。」

おっさんは静かに俺をみつめた。
なめんなよ、ってくらい冷たい目で見つめ返した。

おっさんはそっと胸ポケットに手を入れてティッシュの包みを取り出すと中からSimカードを取り出した。

「…お前にはこのすでにアクティベートされたSimをやろう」

おーー、いやいやいやいやいやいや!それ完全に誰か使ってたやつやし!

きた!と僕は思った。こいつ、罪悪感があるんだ。そうでなきゃこんなプレッシャーで焦ったりしない。わけのわからないSimカードを取り出すあたり、こいつビビってる。

airtelというインドブランドのsimをとりあえず僕のsimフリーサムソンにぶち込むおっさん。そしてこれが動かず。

「ほんで?動かへんけど?ってかVodaphoneのSimは?」

「…VodaphoneのSimはすぐ来る。もう少し待て」といいつつ子分を呼び寄せるおっさん。

なんとおっさんはこの子分の携帯を取り上げてそこからSimカードを僕の目の前で外し、それを僕の携帯にいれた!

すげえ!ここまで来るともう意味わかんない!


とりあえず入れるまで見守っていたのだが、おっさんがドヤ顔で「みろ!電波が来てるぞ」と言った瞬間に「待て待て、Vodaphoneは?それこの人使ってたやつやし」とつっこんだ。

「一緒だ!Vodaphoneもこれも!」と凄むおっさん。

「何言ってるかわからん。最初に言った通りVodaphoneのSimを今すぐ出せ。今すぐ出せないなら、今すぐ金返せ」

おっさんは一瞬で顔を真っ赤にして、胸ポケットから僕が払った金を全部出し、机に叩きつけた。

「出て行け。俺の時間を無駄にするな。」

もちろんそうする。といって僕はお金を財布にしまった。

「ほんとに失望したよ。インド人はもっと誠実な人達だと思ってた」僕はわざとらしく言った。

「どうしてVodaphoneのSimを用意してくれなかったのかなあ。ほんと。」続けてわざとらしく言った。まあそれはほんとラッキーだっただけなのだが。

「いいから出て行け。お前の携帯が悪い」おっさんはわけのわからんことをまだ言っている。

「いいか、教えてやる。この携帯でフィリピンでもタイでもSimを使えた。お前のsimが動かなかったんだし、お前の仕事が誠実じゃなかったんだよ。」

おっさんはなにも言わずに顔を手で覆っている。

なんだかわかんないけどお金返してもらったしいいや。と僕はインフォメーションから去った。

この時さっきの子分がついて来てこりずに「VodaphoneのSimがそんなにほしいのか?俺がすぐ手配してやるよ!」と来た時には、ほんまインドすげー国やな(°_°)と思ったね。


しかも確実にマージンをもらったりしてグルなのであろうトゥクトゥクのにいちゃんが何食わぬ顔でまた声をかけて来た時、「これがインドかあああ。」と痛感しまひた。


ほんともうどこからどこまでが仕組まれてたのか。まあもうあの辺一体で連携とれてんだよね。

ちっさいおっさん→トゥクトゥク→政府のインフォメーション


ええ勉強に、なりましたわーーーー。

そしてネットでみたらいっぱい似たような手口乗ってますわーい。コンノートプレイスでDTTCの詐欺師に遭遇3 | インド女一人旅♪ デリー旅行&観光情報

ほんまお金帰ってきてよかった。そしてもう2度と向こうから声をかけて来るやつなんか信用するもんか、と誓いつつ。


向かったmodern art museumは月曜休館で閉まっており。


(^ω^)かえろ。

ということで宿に直帰。


読みかけていた仏教の本を読みふけり、「Simカードという俗なものに心を奪われた、執着こそがマーラだったのですかブッダよ!」みたいなわけのわけのわからん感じのことを思って寝ました。

いやー、これがインドだなー。


明日は4時に起きて列車で次の町アーグラーへ向かいますとも!