踊る髭の冒険

30歳を目前に仕事をやめて旅に出た髭の人が世界中放浪した果てに結局海外大学院留学せずに帰国→家族でベトナム ハノイ移住→その後ドイツで大学院卒業→現在はカンボジアでのらくら。

髭とKamaral。

5月10日

朝6時半に宿をでて、マラッカへ向かうためバンダータシックスラタン・バスターミナルへ向かった。

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KLの中心からは結構遠い。

CouchsirfinをリクエストしたホストのKamaralとは12時にマラッカのバスターミナルのマクドナルド前で待ち合わせだった。

クアラルンプールからマラッカまでは2時間くらいなので少し早いかと思ったが、電車にいつ乗れるかわからないし、すぐにバスに乗れる保証もないので早めに行動した。

スムーズに8時半のバスのチケットを買えた。チケットは350円。交通は本当安いな!大丈夫かなバス会社!

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そんでなんなのかなこの自動ドアのデザインは!開く度に笑顔の男女がついたり離れたり…滑稽や…。

パンを二つと水を買ってしばらくバスを待つ。台湾でもタイでも、マレーシアでも電車の中での飲食は禁止されているので誰も飲み食いしていない。日本もそうすればいいのにな、と思う。

バスがどうかはわからないけど、バスの中でも誰かが食べているのを見たことがない気がして急いで食べた。

定刻通りにバスはでて、2時間しないくらいでマラッカについた。途中やっぱりスコールが降った。

冷房が寒くて、なんだか身体が痛い。
昨日の稽古の筋肉痛かもしれない。



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まだまだ時間があるので食堂に入る。
安いな!KLの半額くらいやー。
もちろんKLでも安いところはあるけども。
助かるなー。バスターミナルやからこれでも街中よりは高いくらいなんやろうけど、安い。300円くらいやー


食堂のwifiでなんとかKamaralと連絡を取り合っていたところ、仕事があるから1時間くらい遅れる!妹が迎えにいくから!ピンクのヒジャブ(スカーフ)に黒のカーディガンきてるから!とのことだった。

そんな格好いっぱいいる( ゚д゚)

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全然遅れることに関しては問題なかったので、僕は待ち合わせ場所のマクドの前の反対側にある食堂の前にバックパックを下ろしてその上に座った。

身体が痛くて頭痛がするような気がして、僕は小さな鞄を抱えて、そのまま眠ってしまった。


目が覚めると13:30だった。
気づくと隣に青年が座っていた。

「カメラ、前の方に回しといたほうがいいよ、安全のためにね」

彼はそういって身体の横にぶら下がっていた僕のカメラを指差した。

僕はお礼をいった。ちょっと寝てだいぶ気分がよくなった気がする。どこからきたの?と青年が聞く。

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プットラ Putre と名乗った青年は僕がこのあとにいく街のジョホールバルでシーフードを店(たぶん魚屋さん)をやっているらしい。

「ちょうど明日明後日が休みなんだ。きっとあいてるから是非きてくれ、おまけするよ!」と彼は住所を書いてくれた。

美味しいシーフードはいいなあ。と僕は色々彼と話していた。


しばらくして突然名前を呼ばれた。
振り向くとそこには優しい笑顔のマレー系の男が立っていた。

「見つけた!よかったよー、またせてごめんね!Kamaralです!」

一瞬で、空気が気持ち良くなるような笑顔をKamaralは持っていた。僕はそれだけでなんだか嬉しくなった。

Putreに「ジョホールバルで会おう!」と別れをつげて、僕はKamaralと彼の車で家へ向かった。



彼の家は町の中心から20分ぐらい離れたところにあった。

「マラッカではcouchsirfinのために何人にリクエスト送ったの? え、僕だけ?!君はラッキーだなあー!しかもちょうど僕も予定が空けれるときだった!」

彼はなんとシンガポールとの国境のイミグレーション・オフィスで働いているらしく、住まいはジョホールバルなのだが、カウチサーフィンを受け入れる度にマラッカに帰ってきているそうだ。マラッカには彼の家族が持っている家があって、そこにカウチサーファーを受け入れている。

つまり彼は僕の為に休みを調整してマラッカに来てくれたのだ!感謝!

「全然手入れしてないから、ネズミとか蜘蛛とかでるかもだけど!」

大丈夫!そんなもん食ってやる!と僕はおどけて、頼もしいぜ!とKamaralは笑った。

陽気な奴で、いっつも鼻歌混じりでなにか歌っている。

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家は綺麗な一軒家だった。
確かに所々蜘蛛の巣ははっているが全然気にならないレベルで、問題なかった。

今晩はナイトマーケットが旧市街であるから、それまで休憩しよう!とKamaral。

彼の母方は中国系で、父方はマレームスリムなので彼はハーフ。もちろん彼もムスリムだ。

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夕方、Kamaralの車で旧市街へ。

有名なバックパッカー小説「深夜特急」のなかで「マラッカの夕日はめちゃくちゃ美しい」みたく言われてるらしい。
僕は読んだことないのでわからないけど、そんなことをKamaralに話していた。

「マラッカの夕日は綺麗かどうかわからないけど、超暑い!」

そう笑う彼を、世界一の夕日とマラッカ1のイケメンのツーショットや!と写真に収めた。

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ナイトマーケットは中華街の周りにあって、川沿いはいい雰囲気だ。

Kamaralは9時にここにまた迎えにくるから!と妹とどこかにいってしまった。

僕は1人でフラフラとナイトマーケットを散策した。

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ナイトマーケットは週末にしか開かれないらしい。
雰囲気は台湾によく似ていて(台湾ほど美味しそうなものはなかったけど)特に欲しいものは見当たらなかったが、面白かったのはカラオケをする舞台があって、日本でいう「のど自慢」みたいな感じで、おばちゃんたちがいれ代わり立ち代り歌っていたことだ。

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特に上手いというわけじゃないんだけど、聞いている人がいて、で次は誰が歌う?みたい感じで交代に舞台に上がっていく。

あとでKamaralに聞くと、カラオケはすごくこっちでもポピュラーで部屋の中のもあるし僕がみたような感じでオーディエンスの前で歌ったりできるタイプのもあるらしい。

オーディエンスの前で歌うカラオケ!
日本にできたら流行るかなあ…。

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で、謎のマッチョ像がマラッカには複数あって、「Mr.ユニバース」とか「Mr.アジア」とか色んな称号がつけられているみたいなんだが、これは有名なマラッカ出身のボディービルダーらしい。

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金もあるよー。

なんかマラッカの発展に大いに貢献したとかなんとか。とりあえず崇められてます。いい笑顔してますね。

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マラッカのトゥクトゥクはなぜかすごくファンシー。もうツッコミどころしかない。

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なんでキティとかディズニーでピカピカに飾るんや! とおっちゃんにきいてみると「アトラクション」と一言。
ほんまにアトラクティブか?それ(´Д` ) 

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リバーサイドはほんまに雰囲気がいい。
Kamaralが迎えにきてくれるまでぼーっとしていた。

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マレー料理の食堂に連れていってもらう。
「マレー料理は、中華とインドとマレーのミックス!うまいよ!」と彼のお勧めをオーダーしてくれた。


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Kueh deo Hongkong クイディアオ ホンコンという料理。
卵と米の麺を絡めたような物にシーフードのあんかけが乗っていて、程よくスパイシー。うまい!麺の食感も始めてたべた。もとは香港料理なのだろうか。香港いったことないからわからん!
昨日の中華もなんか「一味ちがう」中華だったけど、そうかミックスされているからなのか!多文化と交わることで生まれる新しいハアモニイ!
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食の可能性は限りないなー。

そして地元の人がいくとこはめっちゃ安い。せいぜい一食5リンギット(175円)くらい。クアラルンプールで何食べとったんや俺。。。


家に帰ってKamaralと話した。

「あと数年は、沢山旅行して色んな世界をみたいなあ。でも仕事はやめたくない。政府の仕事だから安定してるしね。何年かすれば結婚するかなあ」
26歳のKamaralは将来のことを聞いたときにこう答えた。

マレーシアの公務員(といえると思うのだけど)は政府の運営する病院であれば医療保険も100%カバーされ、扶養家族はもちろんのこと、今はKamaralの両親の分も彼の保険でカバーされているそうだ。

石油産出国はちがうな…。

マレーシアがこれからもっと発展すればどうなっていくんだろう。


「僕はいつでも明るく笑っていたいんだ。悲惨なことを考える必要なんてない。すべては運命で、カルマなんだと思うよ。君がカウチサーフィンで一発で僕を探し当てたことも。会うべくして僕らは出会った」Kamaralはそんな事を言った。

本当にいつでもニコニコ笑っていて、スマイルがいいね!と僕は彼を褒めた。

「ありがとよ!歯医者さんに言われると嬉しいもんだな!」

いいスマイルを保つ為にもしっかり歯を磨いて寝よう!と僕らはシャカシャカ歯を磨いた。


KLの宿の寒すぎるエアコンにやられたのか、1日身体中が痛くて少し熱っぽかったものの、

Kamaralに昔から知っている気の合う仲間に出会ったような、気持ちのいい感覚を感じていて、この日はぐっすりと眠ることができた。