踊る髭の冒険

30歳を目前に仕事をやめて旅に出たナッカーサーが世界中放浪した果てにイギリスの大学院に留学するのかどうか、という毎日を綴るブログ。可能性迷子の毎日をお届けします。

メータオ・クリニック④

4月30日

8時にメータオ・クリニックへ。
診療が始まる少し前に、昨日も同じ時間に会ったジョセフがまたいたので話していた。

「親父の血液検査の結果を聞きにきたんだよ」ジョセフはそう笑いかけてきた。

親父のためさ、いまメラ・キャンプに住んでいるのはね。またジョセフの「long story」を詳しくは聞けなかったがその一言でなんとなく伝わってくるものがあった。

僕は難民キャンプの状況を聞いた。

「そうだなあ。俺たちカレン族は独立を求めていまでもミャンマー軍と戦ってる。あいつらはいま、俺たちは変わった、民主化への道を歩むっていってるけど、俺たちはミャンマー政府がどんなやつらか知ってる。なんとかなってほしいがな」

「日本人はすごいな。俺はバンコクに住んでる日本人の友だちがいる。彼らは本当によく働くんだよ。そしてストロング マインドを持ってる。それが君の国が急成長できた理由だよな」

「難民キャンプの若い奴らなんか、支援を受けていてその気になれば勉強もできる環境にあるのに殆どのやつらは何もしないんだ。ナコデ?っていうドラッグみたいなのやってみんなフワフワしてる。1時間でも、学ぼうと思えば学べるのになあ」


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朝の診療は穏やかに始まった。
そこまで患者さんが多いというわけでもなく、休みやすみ続いていく感じだった。みんなの「日常」に僕がすっと入っていけるような存在であればいいなと思う。

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ミャンマーのシャン族の県からHealth care worker trainingに来ているナンソンモーがケースレポートを書いていた。
僕らが歯学部で書くような感じで、自分が横について見た患者さんの状態や治療についてレポートを書く。
彼らは15ヶ月のトレーニングの間に歯科だけでなく、この病院の全ての課をまわる。基本的な応急処置なんかは習得して、ミャンマーに帰っていくようだ。

彼、彼女らも抜歯を行ったりするのだが、20歳くらいの子達が始めて抜歯するところをみるとハラハラする。自分が研修医の頃もこんな風に見られていたのかなと思う。

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質問に答える歯科の責任者のエカル。
エカルは8年くらいこのメータオ・クリニックにいて、滞在中は何度も助けられ、1番仲良くなった男だった。

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エカルとは診療の合間に色々な話をした。兄弟の話や、彼の結婚したときの話「子どもは男の子と女の子1人ずつがいいなー」わかるわかる、とかそんな何でもない話。

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スタッフのトントンがずっと何か噛んでいるので、なに噛んでるの?と聞くと
「betel nuts,食べる?」とすすめてくれた。

(;´Д`これはなんや。噛みタバコみたいなやつなんかなあ、とエカルに聞くと違うとのこと。

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試してみた。

おお、、、口の中全部お香みたいな味がする。。

美味しいものではなかったな(´・_・`)

betel nutsを調べてみると、なんとこれ、台湾でも見た「檳榔」のことだった。
台湾ではビンランと発音していた。日本語ではびんろう、かな?


東アジア全体で嗜好品として消費されてるのなー、よく口が真っ赤な人を見るけどそれはこれのせいらしい。

もちろん、噛みタバコと同じように口腔がんのリスクをあげます!注意!


お昼にDr.Phillipeというつフランス人Drに話を聞けることになっていたので事務所に向かう。

フィリップは国境なき医師団やフランスのPU-AMIという大きな国際医療NGOに属していたこともあるDrで、難民キャンプのメディカルコーディネーターとしてここにやって来て現在はメータオ・クリニックで働いている。

僕は彼に医療系NGOで働くということがどんな感じか是非聞いてみたかったのだ。多分NGOってボランティアみたいなもんなの?と思っている人が大半だと思うんだが、大きな国際NGOでは給与をもらって勤務するのが当たり前のことが多い。日本人にはなかなか想像のつかない世界だけに、僕は話を聞けるこのチャンスを逃したくなかった。

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病院の食堂のようなところでご馳走になりながらフィリップに話を聞いた。フィリップはすごく朗らかな先生だった。

NGOで働くことも将来の視野にいれているのだけど、どのような感じなのか。歯科医師にもそういった枠はあると思うか。

「DentistのそういうNGOがあるかどうかはちょっとわからないなあ。でもきっとあると思うな!」

NGOで働くにあたって、大切なのは当然『そのNGOが求める人材として自分がマッチするかどうか』だよ。君が医療人類学を学びたい、というのはすごくいいことだとおもう。もちろん欧米圏で修士を取るのは英語の能力の証明にもなるだろう。でも人類学者として、NGOで働くとなるとかなりの専門性が必要になるよ。とりあえずはどこかのNGOで経験をつんで、プログラムマネージメントができる、経験がある、というのを見せれるようになるといいかもしれない。」

「僕がやってるメディカル・コーディネーターというのは、予算の中から必要な事業ごとに色々な計画をたてて、何が必要か、プログラムを組み立てていく人のこと。組織によってはプログラム・マネージャーとメディカル・コーディネーターが別れていることもある。経験を積めばそういう職種にも応募できるかもしれないね」

NGOによって待遇は様々だから、その辺も考えないといけないよね。給与はもちろん、保険とか、扶養家族への保証とかあるところもあるし。」

フィリップは包み隠さず何でも質問に答えてくれた。僕に知識が少ないので用意できた質問もレベルが高くないが、一般的な事情は少し理解できたかもしれない。

NGOというものの実感も、NGOで働くということも、まだまだよくわからないが実際にこうして働く人たちと触れることで少しずつわかっていけたらいいなと思う。



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お昼過ぎくらいに歯科スタッフのKowが何か食べているので見てみると、ラオスの小さな村で食べさせてもらったものと同じものだった!パパイヤかな?とおもっていたのだが、なんとこれ、若いマンゴーなんです。

マンゴーって、熟すと黄色くて甘いやつになるよね。でも東南アジアじゃ緑の若いマンゴーも食べる。砂糖とスパイスを混ぜたようなものをつけて。

味はすっぱい。でも慣れるとなかなかいけます!



4時前まで診療して、宿に帰る。
夜、SVAという日本のNGOの菊池さんに日本料理会に誘われていたので、それまで少し眠った。

僕の頭の中は今日もらった情報が整理しきれず、ごちゃごちゃしていた。